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2016.11.20 ドクターから一言 第16回「いびきの体の危険信号」

最近、鉄道機関士の事故をきっかけに睡眠時無呼吸症候群の怖さが知られるようになってきました。
この病気は激しいいびきや睡眠中の呼吸停止が頻繁に起こり、そのため起床時の頭痛や日中の強い眠気、倦怠感などの症状が起こってきます。
有病率は人口の2%程度といわれています。
この状態が長く続くと循環器疾患の合併率が高くなり高血圧・狭心症・心筋梗塞・脳血管障害などが2~4倍多く発症するといわれています。
また、交通事故の発生率はこの疾患のない人の7倍に達するといわれています。
また日中の眠気のために仕事に支障をきたしたりと社会生活に重大な悪影響を引き起こします。
しかし、診断、治療法は確立された病気ですので適切に検査、治療を行えば決して怖い病気ではありません。
この病気を詳しく検査するには終夜睡眠ポリグラフィーという検査を行います。
以前は1~2泊入院して睡眠中の様々な記録をとる必要がありましたが、最近簡単にご自宅で装着し、睡眠中の呼吸状態を調べられる装置も開発され、手軽に検査できるようになっています。
その上で明らかに睡眠時無呼吸症候群であると診断されれば、寝る前に鼻、口などに装着して呼吸が止まった時は自動的に空気を送り込む装置をつけることが治療法となります。
夜間の呼吸停止やいびき、日中の眠気、倦怠感の強い方などは一度検査されることをお勧めします。