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2016.07.20 ドクターから一言 第8回「女性の心臓病の特徴について」

心臓病はわが国の三大死因の一つですが、なかでも狭心症や心筋梗塞の虚血性心疾患は重要です。
最近、女性の虚血性心疾患に、男性とは違う特徴のあることが分かってきました。
虚血性心疾患は、心臓の冠動脈硬化をベースに発症しますが、動脈硬化にはコレステロールが深く関係し、コレステロールは女性ホルモンのエストロゲンに大きく影響されます。
女性は閉経するとエストロゲン分泌が減少し、それとともにコレステロールが上昇してきます。
実際若いころは男性の半分くらいであったコレステロールが50歳前後より急激に上昇し男性を超えてしまいます。
この結果、65歳の方の将来の死因1位は男性がガンであるのに対し、女性は心臓病が1位です。

女性の虚血性心疾患の特徴として
1、男性の発症より10年程遅く70歳代に発症する
2、高血圧・高脂血症の危険因子が多い
3、心筋梗塞より狭心症で発症することが多い
4、男性に比べ症状が多様で、胸痛以外に背部痛、喉や顎の痛み、消化不良や嘔気で発症することがある
5、受診が遅れがち
6、血管造影で狭窄が見つかりにくく、細い血管での徴少血管狭心症の関与が疑われる
7、予防対策が不十分
などがあげられます。

まず、女性は閉経後は虚血性心疾患の潜在的な危険が高まると考えていただき、既に生活習慣病のある方はその治療改善に努め、何か症状があるときは早めに専門医を受診することをおすすめします。