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2016.08.10 ドクターから一言 第9回「C型肝炎について」

年に3万人以上が肝臓癌で死亡していますが、その大多数はウイルス性で8割がC型です。
また、国内にはおよそ100万人のC型肝炎ウイルス保有者がいると推測されます。
C型ウイルスに感染すると3割の方は急性肝炎だけで治癒しますが、7割の方は慢性肝炎となり15年で40%が肝硬変に、30年で肝硬変の半数が肝がんになると言われています。
この速度は個人差が大きく、飲酒・感染時の年齢・ウイルスのⅠ、Ⅱ型の差や量の違いにより変ります。

C型肝炎は血液感染ですから1992年以前の輸血、非加熱血液製剤、長期の血液透析、刺青などで感染することがあり、食器の共用や入浴で感染することはなく、性交渉で感染することも稀です。
C型ウイルスの有無は抗体検査を行い、感染していれば肝障害の有無、ウイルス量や型を見極めた上で治療を行います。
治療には強力ミノファーゲンCやウルソなどの肝保護療法やウイルス自体を排除するインターフェロンがあります。
元来日本人のC型ウイルスはⅠ型が多くインターフェロンの効きは悪かったですが、新しいペグインターフェロンとリバビリンの併用により治療効果も上がっています。
日常生活では歯ブラシやカミソリは共用せず、禁酒、適度な運動で肥満を防ぎ、鉄分の多いものは控えてください。