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2018.03.01 ドクターから一言 第30回「インフルエンザと異常行動について」

今の季節もインフルエンザでの来院が多くあります。
インフルエンザ、特に子どもさんの治療法方について心配しておられる方も多いと思います。
抗インフルエンザ薬のタミフルが異常行動との関連の疑いから十代には原則禁忌となりました。
10歳で線引きされた理由は、それ以上になると体も大きく異常行動が起きた時に親が止められない恐れがあるとの事でした。
同時に9歳以下はインフルエンザで死亡する危険性を考慮して禁忌から外したとの事です。

現時点では異常行動とタミフルの因果関係は不明で、インフルエンザには神経症状を伴うことも多いことから異常行動はインフルエンザ脳症によるものと考え方も有力です。
つまりインフルエンザに罹るとタミフルの服用に関わらず異常行動が出現する可能性があり、最低2日間は一人にせず親の監視が必要ということです。

異常行動とは突飛な言動、うわ言、興奮、けいれん、妄想、幻覚、意識障害で、いつもと様子が違えば直ちに受診する必要があります。
タミフルと同効果の吸引薬にリレンザがあり、こちらは今のところ十代にも使用可となっていますが、異常行動の報告が皆無ではありません。
これらを使わずアセトアミノフェンや麻黄湯等の解熱作用のある薬で回復を待つという方法もありますが、やはり脳症の発現には十分な注意が必要です。

やはり予防が第一で、小児・高齢者のみならず、20歳以下の方はできるだけ早期のワクチン接種が重要かと思われます。