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2017.06.10 ドクターから一言 第23回「脳梗塞と心房細動について」

脳梗塞とは脳の血管に血栓が詰まり、その部分の脳細胞が死んでしまう病気で、発症後数時間以内に治療しないと失語やマヒなどの重大な後遺症を残す病気です。
これは起こり方により三型に分けられますが、このうち長嶋監督に起こったのは心原性脳梗塞症というもので、心臓でできた血栓が血流に乗り脳血管を詰まらせて起こり、代表的な原因が心房細動という不整脈です。

心臓は構造上主ポンプの心室と補助ポンプの心房からなり、心房細動はこの補助ポンプが痙攣(けいれん)する状態です。
但し、主ポンプの心室は動いていますので急に心臓停止する訳ではありません。しかし心房内を血液がグルグル渦を巻くことになり血栓ができ易くなります。
これが脳に飛ぶと脳梗塞になり、心房細動のない方に比べ5~6倍確立が高くなります。

これは心房細動が持続する慢性型も時々起こる発作型も差はありません。
ですから心房細動の方はまず薬で血栓を予防することが最重要で、発作型の方は不整脈の薬で心房細動を予防することも大事となります。