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2016.10.20 ドクターから一言 第14回「肝臓病の方は夏の生魚に注意」

夏場は食中毒の多いシーズンで注意が必要です。
食材はできるだけ十分加熱することが望ましいですが、お刺身はそうもいきませんね。
新鮮なうちに食べてください。
ただし夏場は生魚を食べてはいけない方がおられます。
それは肝硬変の方、大酒家、重い糖尿病の方です。
何故ならこの方たちだけに特別危険な菌が夏場魚に寄生しているからです。

これはビブリオヴルフィニカスといい、海水中に生きていますが、水温が20度以上になると急激に増殖して魚介類を汚染します。
先にあげた方々以外の方はたとえこの菌が体に入ってきても何ら危険はありません。
しかし肝硬変、大酒家、重い糖尿病の方の体内にこの菌が入ると非常に危険になることがあります。
症状は24時間以内の高熱、腹痛、下痢からさらに進行すると皮下出欠や水泡、皮下組織の広汎な破壊、そして死亡へとつながります。
治療の遅れは致命的となるわけです。

この菌が人体内に入るには、口から入るか、傷口より海水から入るかです。
この菌は熱に弱く、加熱すると死滅します。
従って夏場から秋にかけて(5月~10月)は生の魚介は食べない、傷があれば傷口を海水につけないことに注意してください。
また、もしうっかり生魚を食べたり傷があるのに海水浴に行った後に発熱した場合、念のためできるだけ早めに病院で受診してください。
時間の遅れが命取りになることもありますので、十分注意してください。