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2019.06.04 ドクターから一言 第34回「一過性脳虚血発作」

今年も暑い夏がやってきます。
この時期は発汗も多くどうしても血液が濃くなりがちです。
この時期に注意が必要なのが脳梗塞、心筋梗塞です。
これらの病気は冬だけでなく夏も多く発症します。

さて、今回は脳梗塞の前ぶれと考えられる一過性脳虚血発作についてです。
これは脳の血管が一時的につまって起こり、つまった場所により症状は異なりますが、めまい、視野障害、半身のマヒやしびれ、ロレツ障害、動作がぎこちなくなる等が突発し、通常は数分~数十分で血栓が自然に溶けて症状も回復します。
このため何かおかしいと感じても回復するため、疲れのためかと考えつい放置しがちですが、本格的な脳梗塞の前兆である場合があり発作を自覚したらすぐ病院を受診することが必要です。

一過性脳虚血発作は動脈硬化や不整脈、糖尿病、高血圧、高脂血症、喫煙者などでリスクが高まるため、日常生活では、禁煙、肥満の解消、脱水予防のため心がけて水分をとる等の注意が必要です。
もちろん基礎疾患の治療は徹底するとともに、拡血小板薬や抗凝固薬による血栓予防治療も必要です。

脳梗塞は重い後遺症が残ると寝たきりになる場合があり、一過性脳虚血発作を見逃さないよう皆さん十分お気をつけください。