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2016.09.20 ドクターから一言 第12回「足の痛みにご用心」

動脈硬化により足の血管が徐々に狭まりついには詰まってしまう閉塞性動脈硬化症という病気があり、糖尿病、高血圧、高脂血症などの生活習慣病や喫煙に合併して起こってきます。

足の血管が詰まると足の冷え、しびれ、歩行時の痛みなどが出現し、症状が進むと安静時にも痛くなり、ついには潰瘍や壊死を来たすと切断しないといけない怖い病気です。
これは足の血管だけに動脈硬化が起こったのではなく、全身の動脈硬化の一つの表われといえます。
実際この病気の方は心筋梗塞、脳梗塞、腎不全を合併する事も多く、早期発見治療が必要です。
症状の中でも特に大事なのが間歇性跛行で歩くと足が痛むが休むと痛みが治まります。
この状態は既に病気の進行度上Ⅱ度に相当し、患者数の7~8割を占め、未治療の場合はこのⅡ度以上の方の5年生存率は60~70%で乳ガンや大腸ガンより予後不良と言われます。
自分ではなかなか気づきにくいこの病気も、脈波検査により簡単に診断できます。
治療は、まずは禁煙、運動療法や抗血小板剤内服療法を行ない、症状が進むとバイパス術やカテーテルによる血管拡張術を行います。
タバコを吸う方や生活習慣病の方で足の痛みや違和感のある方は軽く考えず、一度検査を受けてみることをお勧めします。